06 EN SCENE (ニース) 


06 EN SCENE (ゼロ・シス・アン・セーン)



毎年、春になると三日間、ニースにあるアクロポリス国際会議場で、「06 EN SCENE (ゼロ・シス・アン・セーン)」というイベントが開催されます。14時から23時まで様々なお芝居やダンス、パフォーマンスなどを見ることができます。なんと全て無料!私も2007年、2008年と二年連続で見に行ってました。素晴らしい作品に触れるチャンスなので、お時間の合う方は是非いらしてみて下さい。
2010年は残念ながら3日ではなく1日になってしまいました。税金上がったのに。。。


NICE ACROPOLIS(ニース・アクロポリス国際会議場)
2010年4月17日 13時~0時

1)行き方

車の場合...

MAMAC(ニース近現代美術館)のパーキングに停めるのがわかりやすくて良いかも。そのまま北上すれば徒歩5分位でアクロポリスに着きます。

トラムの場合...

「Acropolis」下車。ガリバルディ広場を背中にして左側に進むと大きな建物があり、それがアクロポリスです。
マセナ広場から北東の位置。マセナ広場からだと徒歩30分くらい。ガリバルディ広場からだと15分くらいかな。


2)楽しみ方

プログラムの中から興味のある作品を見つけて、見に行くだけ!
人気のありそうなものを見に行くときは早めに行きましょう。
アクロポリス国際会議場の中に入ると、劇場がいくつかあるので、どの劇場で行われるのか要チェック。
ちなみに、一番大きな劇場(多分)APOLLONは階段上って左手。さらに階段を上ったところにあります。
開始時間の14時には人がたくさんいます。少し並ぶのも覚悟しましょう。(夕方になると入口がグッと空いてきます。)
また、手荷物はX線検査にかけないといけないので(特に手さげカバンやリュックなど)、荷物は少なめに行きましょう。
会場内には広いカフェと何ヶ所かにトイレがあります。


3)連絡先

Conseil Général Alpes-Maritimes Tel.0 805 560 660
http://193.48.79.10/cg06_V3/cms/06enscene2010/index.php

2010年プログラム
http://193.48.79.10/cg06_V3/cms/06enscene2010/upload/06enscene2010-depliant.pdf

今年はバレエが全くなくなってしまったのが残念!我が家はなんとなく行かないような気がします。。。



4) 2008年の報告(TOMO)


2008年3月22日(土) Ballet de Monte-Carlo モンテカルロバレエ団

.....今年も昨年に引き続き、家族三人でピエロ劇を見に行くことにしました。会場のアクロポリス(国際会議場)に入ると、ちょうどサーカスのようなものをしているところで、とってもきれいでした!しかし、ピエロ劇が行われる小劇場に近づくと、なんと満席につき入場不可とのこと。ガガガーン。やっぱり時間ギリギリではなく、もっと早く来るんだった。。。(涙)。入口でもらったプログラムを見てみたところ、他に面白そうなものもなかったので、早くも退場することになりました。トホホ。

その夜、もう一度アクロポリスに出かけました。今度は家族とではなく、イギリス人のママ友達デニーズと二人で出かけました。開演15分前くらいに会場に入ると、一階席はもう満席なのか、二階席に行くよう言われました。二階席も前の方はもうほとんど埋まっています。うーむ。。。「後ろでもいいよね。」「でもまん中から見たいよね。」と話しているうちに、ふと見つけた中央の最後列に座ることになりました。そうこうしているうちに、二階席もあっという間に満席になりました。

今日の公演はモンテカルロ・バレエ団です。一つ目の演目は「OPUS 40」。中心となるダンサーの衣装が真っ黄色なのに驚いたんですが、アフリカの音楽を思い出させるようなのMeredith Monkの歌声が心に響き、どっぷり世界にはまって見入っていると、歌の呼吸とダンスが一致していることに気付きました。すごい。話の展開はあるようなないような、意味もあるようなないようなで、微妙な流れではあったものの、「音楽と心身の表現」の調和は見事でした。ダンサー達の質の高さはもちろんのこと、バレエ団のエトワール Bernice Coppietersに目が釘付けになりました。

15分位の休憩を挟んで次の演目が始まりました。二つ目は「Altro Canto」。こちらも素晴らしい音楽でした。舞台装飾や照明もシンプルながら印象的。振り付けも、ダンサー達も素晴らしく、後半は息がつけないほどでした。(友達はゆれるような腕の動きが気に入ったそうで、私は全部言ったらキリがないけど、たくさんの男性ダンサーと Berniceが踊る部分が気に入りました。男性達がBerniceの体を支えてドルフィンダイブみたいにするところとか。)。個性的な衣装だと思っていたら、カール・ラガーフェルドによるデザインとのこと。この作品でもBerniceの魅力炸裂で、幕が閉じると会場は拍手の嵐となりました。何度も何度もカーテンコールがあり、それでも拍手は鳴り止まず、会場の電気がついた後も再び幕が上がったほどでした。いや~、素晴らしかった!!!

モンテカルロ・バレエ団の公演を無料で見れたこともラッキーだったけど、もう一つラッキーな出来事がありました。それはたまたま席を探している時に友達が知り合いに会ったこと。その知り合いとは、カンヌの有名なバレエ学校の方で、校長(元パリ・オペラ座のエトワールのモニック・ルディエール)の片腕として働いていらっしゃる方。でも、気取ったところが全くなく、むしろ気さくで温かい感じのする素敵な女性でした。

カンヌのバレエ学校の公演と言えば、一月に学校の付き添いで見てきて、若いダンサー達のひたむきな姿勢と、モニック・ルディエール校長の大らかでわかりやすい解説に大感激。子供達以上に喜んでいた私なのですが(笑)、今回関係者の方に直接御礼を言うことができて、とってもうれしかった。その時に目についたダンサー達の状況を教えてもらったり、一月の公演の裏話や普段の学校の話を聞かせてもらったり、今日の公演についても彼女の考察は興味深くて、とても勉強になりました。

公演が終わりまだ興奮冷めやらぬ状態のまま、友達と歩いて家まで帰りました。夜に一人で外出するのは久しぶりだったんですが、その甲斐はある素晴らしいひとときでした♪


5) 2007年の報告(TOMO)


2007年4月9日(土) "LIFEFORMS" Système Castafiore

音楽、演出 : Karl BISCUIT
振付 : Marcia BARCELLOS
照明 : Julien GUERUT
美術 : Jean-Luc TOURNE
衣装 : Christian BURLE
ダンサー : Grégory ALLIOT, Mikael BAUDOUIN, Jean-François BIZIEAU, Caroline
CHAUMONT, Denis GIULIANI, Daphné MAUGER。その他、LES DANSEURS DU CANNES JEUNE BALLET.

.....ニースの「OFF JAZZ」でダンスの先生をしているイギリス人の友達デニーズから、この舞台がオススメだと言われて見に行くことにしました。でも、公演は夜。どうしようかな~と思っていると、午後に行われる最終リハーサルも見学できることがわかりました。最終リハーサルでは、大体、舞台装置も衣装もつけて、本番のようにやるものなので、仲良しの友達と一緒に、プログラム通り、午後2時に劇場へ入りました。ところが、リハーサルは既に始まっていました。でも、普段着の人ばかりだったんです。。。(汗)

リハーサルと言うより、単なる練習風景みたいでした。でも、合唱隊の歌は素晴らしく、ダンサー達の踊りが素敵で(ウォーミングアップしている姿にもほれぼれ!)、飽きることなく見ていました。演出家の人と舞台の人たちのやりとりも興味深かったし、振り付け師の女性がダンサーを指導する様子も面白かった。小道具さんがいて、照明さんがいて、音響さんや裏方さん、様々な人の力で舞台が成り立っているのだとしみじみ思いました。

しかし、いつまで経っても練習風景のままで、最終リハーサルに入る様子がありません。ただでさえ少ない観客が一人席を立ち、一人立ちと、少なくなっていきました。私達も一旦席を立ち、他を見に行ってみることにしました。

たまたま、出入り口のところに関係者の方がいたので、「最終リハーサルだと思っていたんだけど、見れなくて残念でした。」と声をかけると、「ちょっとおして てね。でも、6時まではリハーサルだから、4時半頃には最終リハーサルになっていると思うよ。」と教えてもらいました。

他のイベントを ちょこちょこ見に行ったんですが、あまり面白いものもなく、知り合いとバッタリ会って挨拶したり、会議場の中をブラブラ見学して過ごしました。午後4時に 始まるパフォーマンスを見てみようかと待っていたのですが、時間を過ぎても全然始まる様子がないので、「やっぱりダンスに戻ろう。」ということになりまし た。

中に入ると、ちょうど舞台の幕があがったところでした。今度は皆さん衣装を着ていました。舞台も本物っぽい。いよいよ最終リハーサルが始まったみたいです。間に合って良かった!

私と友達は前の方に行き、見やすい席に座りました。合唱隊の歌声が素晴らしく、ダンサーの踊りも素晴らしく、様々な小道具を使っているのも面白く、衣装も斬新、かつ個性的。からくり箱が次々と開かれるような感じでした。一つのダンスが始まるたびに、驚き、ため息をつき、しばし見入る。そんな時間を過ごしました。途中で映像が入るのもかっこよかったし、かと思うと、奇妙な踊りがあり、奇妙なキャラクターが出てきたりして、飽きることがありませんでした。 「LIFEFORMS(生物形態)」、納得のタイトルです。色々なものが融合した、そしてその融合が見事に成功をなしている舞台でした。(途中で『ものの け姫』の「人間食う、人間食う、人間倒したい。だから人間食う。」というオドロオドロシイ声(日本語)が出てきてビックリしたんですけど!笑)

時計を見ると、なんと夜の7時半!最終リハーサルが始まってから、3時間半が経っていました。。。(苦笑)

リハーサルが最後まで行ったあたりで、切りが良いので席を立ち、出口に向かいました。たまたま音響のところにいた男性と目が合ったので、素晴らしい舞台だっ たと御礼を言うと、「君達、もしかして午後ずっといた?」と聞かれたので、「一度外に出たけど、大体ずっといました。最終リハーサルは最初から見てた し。」と答えました。自分達でも笑っちゃったんですが、本当に午後からずっとこのダンスを見ていたんですよね。夜7時半まで。。。(笑)

で も、その方(多分演出家)はとても喜んでくださって、「夜の本番も見ていってくれたらいいのに!」と言ってくれたのですが、あいにく都合で帰らなければな らないと答えました。でも、リハーサルでも十分に楽しめたこと、素晴らしい作品だったことを直接伝えることができて良かったです。

本番は もっともっと素敵だったと思います。幻想的な雰囲気に浸れたのではないかと思います。でも、美しい本番の裏には多大な労力と努力がある。そのことを見れた のは、私にとって大きな収穫でした。そして、ダンスにしても、歌にしても、人間が作り出す芸術は本当に素晴らしいと思いました。(Tちゃん、お疲れ様でし た!笑)


(ピエロ劇団「Compagnie de l’Arpette」のお芝居)

2007年4月10日(日) "Sur la corde à linge" Compagnie de l’Arpette

演出 : Oliver DEBOS
脚本 : Christel Giumelli, Aurélie Péglion, Oliver DEBOS,
出演 : Christel Giumelli, Aurélie Péglion

.....今日は晴れたり曇ったりと落ち着かない天気だったので、夕方から家族でお芝居を見に行くことにしました。昨日に引き続き、国際会議場のアクロポリス。今日はピエロ劇団「Compagnie de l’Arpette(カンパニー・ドゥ・ラーペットゥ)」 による喜劇「Sur la corde à linge (シュール・ラ・コード・ア・ランジュ=洗濯ひもの上で)」を見ました。この劇団は夫のお気に入りなのです。。。

本当は10才以上という制限があったのです が、娘は観劇に慣れているし、おとなしいタイプなので、連れて行くことにしました。でも、年齢の低い子供もいたし、赤ちゃん連れの人もいたので全然OKで した。小さな子達が10才以上という年齢設定の演目にじっと耐えられるかは謎ですが。。。

舞台で演ずるのは二人の女性。一人は可愛らしい 感じの女性で、もう一人はすらっとしたエレガントな女性。でも、ピエロなので二人とも鼻に赤いボールをつけています。衣装も、表情も、動き方も、ギャグ も、シューレアリストな笑いの連続で、あっとういう間に終わってしまいました。思い切り笑って爽快!

帰り際、二人の女優さんが出口でみんなに挨拶をしていたのですが、うちの夫が通った時、「あなたの笑い声は最高でした。どうもありがとう!」と御礼を言われ ていました。夫に会ったことのある方は想像がつくと思うのですが、彼の笑い声はかなり強烈で誰もが振り返るほどなんですよね。。。(汗&笑)

「今日も得しちゃった♪」とホクホクだったんですが、その一方で「無料」と言うのはよくないような気もしました。フランス人は「無料」に弱い人達で(フランス 人に限らないとは思いますが、この国では特にそう感じさせる何かがあるような。苦笑)、そのくせ、無料のものには感謝しない。大切にしないところがあるよ うに思えます。「10才以上」と書いてあるのに、小さな子供や赤ちゃんを連れてくるのが良い例だし、劇が始まる前に劇団の主宰者から、「演目は一時間で す。出入り口が舞台のすぐ横なので、退室は緊急時のみにしてください。」という注意があったと言うのに、途中で退室する人が後を耐えませんでした。これって、日本だったら相当顰蹙だと思うし、フランスでも有料だったらありえないはず。。。

と、色々考えるところはありましたが、やっぱり「06 EN SCENE」は素敵なイベント。来年も見に行きたいと思います♪